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写真でつづる21歳大学生の旅行記

曇りのモニュメントバレーでのんびり午後を過ごす

昨日降っていた雪が溶けて、道がぬかるんでしまっていたため、終日行うはずだったツアーは前半で中止となった。

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終日のパックツアーに申し込んでいたのだが、キャンセルになった旨を泊まったロッジ(Gaulding’s Lodge)のカウンターのお姉さんに伝えると、半日のツアー分の料金になった。

さて、このロッジは映画の撮影の際に関係者も泊まることがあるらしく(どこかのブログで見た)、周りに何もないにもかかわらず、ここの設備はかなり整っている。 レストランにミュージアムショップ、プールまである。

ツアーが終わった頃にはお昼になっていたので、ここのレストランで昼食をとることにした。 アメリカでは定番な風の割とフォーマルなレストランで、もちろんハンバーガーもある。 ここで、アメリカへきて二度目のハンバーガーを食べた。

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ハンバーガーはどこへいってもハズレがない。

店を出て、ミュージアムショップをぶらぶらした後(ここではミニドリームキャッチャーを買った)、界隈を散策してみることにした。 もう一度 Valley of Gods を訪れたいとも思ったのだが、霧が濃く運転に自信がなかったので、モニュメントバレーの観光の拠点となるエリアを見ることにした。

モニュメントバレーのビジターセンターは、Gaulding’s Lodge から道を一本、車で 10 分もかからないところにある。 入場ゲートがあるのだが、バスツアーで入場チケットをもらっていたので入ることができた。

ビジターセンターには、ホテルやレストラン、ミュージアムショップ、展示室が併設されており、ここの観光の中心となる場所である。 展望台もいくつかあって、一度は見たことのあるようなビューとがそびえ立つ景色を一望できる。

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右に見えるのがホテルの客室で、ここから幻想的な朝焼けを見ることができる。 死ぬまでにいつかは、ここの客室に泊まりたい。

あいにくの曇りで期待していたような景色ではなかったが、雪景色を見ることも珍しいと思うのでよいことにして、また晴れた時に来ようという気になった(たぶん、神様がまた来いよと言っているのだろう)。

ここで撮影してよ!と言わんばかりの岩があったので、記念撮影することにした。

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なかなかドラゴンボールに出てきそうなシーン風に撮れたと思う。

夕焼けを見たかったので、ミュージアムショップや、展示室で時間を潰した。

ミュージアムショップでは、親類向けにティーバッグ(NAVAJO TEA)を買った。 ティーバッグは当たり外れないだろうと思って買ったのだが、自分用に買ったのを飲んでみたら、残念ながら僕の口には合わなかった。 たぶん万人ウケしない味なので、オススメしない。 フランスとかイタリアのティーバッグとかだと、おそらくハズレはないのだが、よくわからないところのティーバッグは当たり外れがあることを学んだ。

展示室には、Navajo Nation のことについて書かれたパネルがあった。

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ツアーガイドの人が言ってたことがここにまとめられていて、何を言ってるか聞き取れなかったことが分かった。 ツアーへ行く前にここのパネルを見ておいたらもう少し楽しめたかもしれない。

夕焼けを待ったが、雲っているせいで思うような夕焼けを見られず、ロッジの麓にあるスーパーへ行って晩ご飯を買うことにした。

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おそらくこの辺りに他に何か売っているような場所はないので、食料品の他に本や文房具も売っていた。

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ポケモンのケーキが売っていて、遠いアメリカのこんな田舎にも日本発のキャラクターが浸透していることにちょっと感動した。

夕飯は、スーパーのとなりにあるコインランドリーで洗濯しながら、待ち時間に食べることにした。

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我ながら簡素な夕飯だが、ケチャップとマスタードが安くて美味いので、これでいいのだ。 iTunes の映画レンタルで、モニュメントバレーがロケ地となっている Back to the Future III をダウンロードして、iPad で見ながら夕飯を食べた。 映画のロケ地でその作品を見るのは、なかなかマニアックな体験だと思う。

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 (字幕版)

バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 (字幕版)

  • ロバート・ゼメキス
  • コメディ
  • ¥1000

洗剤を買っている間に、地元のちびっ子がちょっかいをかけてきた。

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原住民の風貌は欧米人よりもむしろ、アジア系に近い。 この子から見ると、おそらく僕らのようなアジア人は珍しいわけだが、どのように見えているのだろうか気になった。 アメリカと日本が戦争をする際に、ここの原住民族も駆り出された。 彼らが使っている言語は、他のどの地域でも使われていない。 その特性を利用して、遠距離通信で傍受されても大丈夫なように、通信の際に彼らの言語が使われたそうだ(コードトーカーと呼ばれた)。 彼らも敵国の日本人を見ることになるわけだが、味方のアメリカ人よりも、日本人の方が顔立ちが似ていることに驚いたという。

現地へ行って初めてその地域に関心を持って、未知の事柄に出会えることも旅の醍醐味だ。

この日はぐっすり寝てロッジをチェックアウトした後、少し、エクストリーム・シェイヴィングを楽しみ、モニュメントバレーを後にした。

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モニュメントバレーを散策する

異世界を思わせるほどのモニュメントバレーの夜明けを堪能した後、昨晩ロッジのカウンターで申し込んでおいたツアーに参加した。 写真の奥に見えるメサとビュートが集まるところを回るツアーだ。

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この辺は車でも行くことができるのだが、未舗装路で雪が積もっているとまたスタックしてしまいそうだったのでツアーに参加することにしたのだ。

ツアーの車はロッジから出発する。 ガイドを務めるのは、ここナバホネイションに住む女性の方だった。 ナバホの人は白人よりも寧ろアジア系に近い顔たちだ。 ツアーに同行するのはオーストラリアから来たぼくの両親より一回り上くらいの夫妻だった。 車に乗り込むなり「あなたたちはハネムーンなの?」と奥様に訊かれ、唐突なオーストラリアンジョークに少しうろたえながらも簡単な自己紹介をすることができた。

さて、ガイドさんと4人を乗せたバンは未舗装路に入り、ビュートが見える方へ進んでいった。 このツアーでは有名な見所を中心に回ってくれる。 最初に訪れたのは、3つのユニークな形をしたビュートがよく見えるところだ。

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20人くらいの日本人団体ツアー客もいて、降りた直後はじっくり写真を撮りづらかったが彼らが去ったあとにゆっくり楽しむことができた。 ツアー客が少ないと融通を利かしてくれるのがよい。

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さて、次はモニュメントバレーで最も有名なポイントの一つ、ジョン・フォードポイントに向かう。

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映画監督ジョン・フォードが頻繁に撮影したポイントだ。 この辺一帯は未舗装路だと先ほど書いたが、さらに奥へいくとこんな道になる。

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ガイドブックにも一応この道は載っていたが、雪の積もるシーズンに来るとこの様である。 ツアーに参加しておいて良かったと思った。

さて、目的地に着くとここからは様々な巨石群を一望できることがわかる。

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ここでも iPhone のパノラマ機能が役に立った。

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被写体が入ると、このスケールの大きさがよく分かる。

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シーズン中だと、馬に乗って写真を撮れるらしい。

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記念写真も撮っておいた。

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(ぼくの入っている写真が右に写っているお父様のデジカメにあるはずだが、まだ送ってもらっていない)

この土地を映画を通して世界に広めたことを讃えたモニュメントもあった。

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さて、この風景を堪能したあと、次の目的地へ向かった。

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走っている途中でも、様々なビュートやメサを見ることができた。

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次の目的地はここナバホネイションの伝統的な家屋 “ホーガン” だ。

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家屋は丸太で組まれていて、外は土で固めてある。 家屋の中では、ナバホ族の生活スタイルについてお話を聞いた。

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右に飾ってあるラグに施してあるのが有名なネイティブアメリカンのパターンだ(この柄を頻繁にみるが、ネイティブアメリカン由来であることを知らなかった)。

ナバホ・ネイションには、古くからの生活スタイルで暮らしている世帯が 200 ほどある。 ホーガンに住み、牧畜や機織りといった産業などを営んでいる。 電話や電気が通ってない世帯もあると聞いた。 アメリカ国内の独立国ナバホ・ネイションとして、古くからの伝統的な生活様式で暮らしているが、最近は若者のアメリカ化が進んでいるのが問題になっているという。 伝統的な暮らし方よりも、刺激のある、そして物質的により豊かな方へ若者が流れていくのはどこの国でも、どこの民族でも変わらないことなのだろうか。

ホーガンの外にバンを停めてあったのだが、後ろに見えるのがホエール・メサと呼ばれるメサだ。

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岩の上に見えるくぼみが目だとわかると、なるほど、クジラに見えてきた。

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メサやビュートにはそれぞれユニークな名前が付いている。

ツアー客が少ないので、ちょっとしたところでもすぐに停めてくれる。

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最初に訪れたところから距離が離れたが、ここからだと違う角度から全景が見える。

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もう少し車を進めたところについたのは、マルボロの広告写真に使われたというスポットだ。

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このまわりにもおもしろい形の巨岩が集まっている。 バンの上に見えるのはブーツの形に見えるビュート。

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ここからまた少し車を走らせたところ、奥に見えるのはスリー・シスターズと呼ばれるビュートだ。 雪解け水の水たまりに反射するスリー・シスターズを見れるのは珍しいということで、道の途中で車を停めて見せてくれた。

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水たまりになっているところは鏡のようにきれいだが、流れている水は濁流だ。

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水がここの赤い石質を削って赤い泥となり、このような濁流になっているのだが、これが何万年繰り返され今の奇岩群を作ったのだと思うと壮大な時間をかけた大地の変化のダイナミクスに心を惹きつけられた。

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少し名残惜しいが、朝から始まったツアーは昼食の時間になる頃に終わった。

実は午後にナバホ族の居住している、ツアー以外では入ることができないエリアに行くフルパッケージの旅程だったのだが、雪による道のぬかるみがひどいということで、午後の予定がキャンセルになった。 午後は特に予定がなくなってしまったので、昼食を食べてあとにロッジのまわりを軽く散策することにした。