モニュメントバレーを散策する
異世界を思わせるほどのモニュメントバレーの夜明けを堪能した後、昨晩ロッジのカウンターで申し込んでおいたツアーに参加した。 写真の奥に見えるメサとビュートが集まるところを回るツアーだ。
この辺は車でも行くことができるのだが、未舗装路で雪が積もっているとまたスタックしてしまいそうだったのでツアーに参加することにしたのだ。
ツアーの車はロッジから出発する。 ガイドを務めるのは、ここナバホネイションに住む女性の方だった。 ナバホの人は白人よりも寧ろアジア系に近い顔たちだ。 ツアーに同行するのはオーストラリアから来たぼくの両親より一回り上くらいの夫妻だった。 車に乗り込むなり「あなたたちはハネムーンなの?」と奥様に訊かれ、唐突なオーストラリアンジョークに少しうろたえながらも簡単な自己紹介をすることができた。
さて、ガイドさんと4人を乗せたバンは未舗装路に入り、ビュートが見える方へ進んでいった。 このツアーでは有名な見所を中心に回ってくれる。 最初に訪れたのは、3つのユニークな形をしたビュートがよく見えるところだ。
20人くらいの日本人団体ツアー客もいて、降りた直後はじっくり写真を撮りづらかったが彼らが去ったあとにゆっくり楽しむことができた。 ツアー客が少ないと融通を利かしてくれるのがよい。
さて、次はモニュメントバレーで最も有名なポイントの一つ、ジョン・フォードポイントに向かう。
映画監督ジョン・フォードが頻繁に撮影したポイントだ。 この辺一帯は未舗装路だと先ほど書いたが、さらに奥へいくとこんな道になる。
ガイドブックにも一応この道は載っていたが、雪の積もるシーズンに来るとこの様である。 ツアーに参加しておいて良かったと思った。
さて、目的地に着くとここからは様々な巨石群を一望できることがわかる。
ここでも iPhone のパノラマ機能が役に立った。
被写体が入ると、このスケールの大きさがよく分かる。
シーズン中だと、馬に乗って写真を撮れるらしい。
記念写真も撮っておいた。
(ぼくの入っている写真が右に写っているお父様のデジカメにあるはずだが、まだ送ってもらっていない)
この土地を映画を通して世界に広めたことを讃えたモニュメントもあった。
さて、この風景を堪能したあと、次の目的地へ向かった。
走っている途中でも、様々なビュートやメサを見ることができた。
次の目的地はここナバホネイションの伝統的な家屋 “ホーガン” だ。
家屋は丸太で組まれていて、外は土で固めてある。 家屋の中では、ナバホ族の生活スタイルについてお話を聞いた。
右に飾ってあるラグに施してあるのが有名なネイティブアメリカンのパターンだ(この柄を頻繁にみるが、ネイティブアメリカン由来であることを知らなかった)。
ナバホ・ネイションには、古くからの生活スタイルで暮らしている世帯が 200 ほどある。 ホーガンに住み、牧畜や機織りといった産業などを営んでいる。 電話や電気が通ってない世帯もあると聞いた。 アメリカ国内の独立国ナバホ・ネイションとして、古くからの伝統的な生活様式で暮らしているが、最近は若者のアメリカ化が進んでいるのが問題になっているという。 伝統的な暮らし方よりも、刺激のある、そして物質的により豊かな方へ若者が流れていくのはどこの国でも、どこの民族でも変わらないことなのだろうか。
ホーガンの外にバンを停めてあったのだが、後ろに見えるのがホエール・メサと呼ばれるメサだ。
岩の上に見えるくぼみが目だとわかると、なるほど、クジラに見えてきた。
メサやビュートにはそれぞれユニークな名前が付いている。
ツアー客が少ないので、ちょっとしたところでもすぐに停めてくれる。
最初に訪れたところから距離が離れたが、ここからだと違う角度から全景が見える。
もう少し車を進めたところについたのは、マルボロの広告写真に使われたというスポットだ。
このまわりにもおもしろい形の巨岩が集まっている。 バンの上に見えるのはブーツの形に見えるビュート。
ここからまた少し車を走らせたところ、奥に見えるのはスリー・シスターズと呼ばれるビュートだ。 雪解け水の水たまりに反射するスリー・シスターズを見れるのは珍しいということで、道の途中で車を停めて見せてくれた。
水たまりになっているところは鏡のようにきれいだが、流れている水は濁流だ。
水がここの赤い石質を削って赤い泥となり、このような濁流になっているのだが、これが何万年繰り返され今の奇岩群を作ったのだと思うと壮大な時間をかけた大地の変化のダイナミクスに心を惹きつけられた。
少し名残惜しいが、朝から始まったツアーは昼食の時間になる頃に終わった。
実は午後にナバホ族の居住している、ツアー以外では入ることができないエリアに行くフルパッケージの旅程だったのだが、雪による道のぬかるみがひどいということで、午後の予定がキャンセルになった。 午後は特に予定がなくなってしまったので、昼食を食べてあとにロッジのまわりを軽く散策することにした。